日本高配当株とSPYDに合計250万円ほど投じた経験があります。
銘柄分析をして、配当通知メールを確認して、手間をかけた割に振り込まれる金額は大きくありません。
それは受け取るたびに約20%課税される配当の宿命ともいえます。
配当金は「強制的な課税イベント」
高配当株投資の前提は、配当を受け取って使うことです。
再投資するなら高配当株を選ぶ意味がありません。
内部で自動再投資されるインデックス投資信託を選べばいいからです。
この内部再投資には、配当を出す銘柄にはない明確なメリットがあります。
ファンドが内部で受け取る配当は、払い出されないため課税されず、まるごと再投資されます。
同じ配当というお金の行き先が、高配当株では「約20%引かれて手元へ」、インデックス投信では「1円も引かれずに次の投資へ」。
この差が、複利で何十年も積み重なっていきます。
問題は、配当がインデックス投資信託の取り崩しでも再現できることなのに、払い出される金額の約20%を手数料として支払い続けることです。
お金が必要なら投資額を調整すればいい。
投資できている時点で家計は黒字です。
投資に回す金額を減らすだけで、使えるお金を残せます。
この少しの感情の制御で、配当の約20%の手数料を削れます。
数字で比べると差は明確
同じ100万円、利回り4%、4万円を取り崩す場合で比較します。
(正確な税率は20.315%〈所得税15.315%+住民税5%〉ですが、ここでは約20%に丸めた簡易計算です)
| 高配当株 | インデックス | |
|---|---|---|
| 元本 | 100万円 | 100万円 |
| 利回り | 4% | 4% |
| 受取 / 取り崩し | 配当 4万円 | 取り崩し 4万円 |
| 課税対象 | 4万円(全額) | 利益分 約1,540円 |
| 税額(約20%) | 8,000円 | 約310円 |
| 手残り | 32,000円 | 約39,690円 |
高配当株の場合、配当4万円から約20%が課税され、手残りは3.2万円です。
インデックスの場合、100万円が4%上昇して104万円になります。
4万円を取り崩すと、4万円のうち利益分は約1,540円です(4万円×4万÷104万)。
この約20%、約310円が課税されます。
手残りは約39,690円です。
差額は約7,690円。
家族での外食1回分、あるいは好きな本を数冊買える金額です。
この差が資産規模に比例して広がっていきます。
NISA口座なら差はなくなるのでは?
「NISAなら配当も非課税だから、差はないのでは」と思うかもしれません。
半分正解で、半分間違いです。
NISA口座なら、取り崩し(売却益)は完全に非課税です。
日本株の配当も、受取方法を株式数比例配分方式にしていれば非課税になります。
しかし、VYMやSCHD、SPYDのような米国高配当ETFの配当(分配金)は違います。
NISA口座でも、米国で10%が源泉徴収されます。
課税口座であれば、確定申告の外国税額控除で一部を取り戻すことができます。
外国税額控除は、米国と日本で二重に課税されるのを防ぐための仕組みだからです。
NISAはそもそも日本で課税されていないため、二重課税が起きておらず、控除の対象になりません。
引かれた10%はそのまま戻ってこないのです。
つまりNISAでも、米国高配当ETFの配当は10%引かれ、インデックスの取り崩しは1円も引かれない。
構図は課税口座と変わりません。
投資でコントロールできることは少ない
相場は読めません。
いつ上がるか、いつ下がるかは誰にもわかりません。
だからこそ、コントロールできることに集中する価値があります。
インデックスの取り崩しは、数少ないコントロール可能なことのひとつです。
必要な時に、必要な金額だけ売却する。
課税は最小限に抑えられます。
取り崩し方に難しいルールは要りません。
基本は「必要な時に、必要な額だけ」。
「取り崩すと資産が枯渇しそうで怖い」という人には、資産残高の一定率を毎年取り崩す「定率取り崩し」が、資産寿命を延ばす方法として知られています。
配当の20%手数料をカットする。
この選択を積み重ねることが、資産形成のスピードに直結します。
※税率・NISAでの配当の取り扱いは2026年7月4日時点で国税庁・証券会社の公式情報を確認しています。
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