高配当株を持っていた時期がありました。
日本高配当株とSPYDに合計250万円ほど投じて、含み益も出ていました。
それでも止めたのは、配当課税の非効率さを感じたからです。
インデックス一本に切り替えて、資産は5,000万円を超えました。
今でもこの考えは変わっておらず、むしろ強くなっています。
配当生活に必要な資産額を計算してみる
配当金で生活するイメージは魅力的です。
しかし実際に数字を出すと、現実が見えてきます。
毎月20万円の配当を受け取りたい場合、利回り5%(課税後約4%)で計算しても、必要な資産は6,000万円です。
毎月5万円を受け取りたい場合、同じく利回り5%(課税後約4%)で計算すると、必要な資産は1,500万円。
ただし高配当株投資には、銘柄分析と買い付けタイミングの見極めがついて回ります。
銘柄を選ぶ目と、利回りが高くなるタイミングで買い付けることが必要で、放っておける投資ではありません。
「利回りが高くなるまで待てない」という場合は、そもそも高配当株投資は向いていないと言えます。
配当を目的とする以上、高い利回りで取得できなければ旨味がないからです。
それでも「NISAなら配当も非課税だから、高配当株でいいのでは」と考えたくなります。
実はここに落とし穴があります。
「NISAなら配当も非課税」には2つの落とし穴がある
ひとつ目は枠の上限です。
1,500万円なら、NISAの生涯枠1,800万円に収まりそうに見えます。
しかしNISAの枠は2種類あり、高配当の個別株やETFを買えるのは「成長投資枠」だけ。
成長投資枠で使えるのは、年間240万円・生涯1,200万円までです。
残りの600万円分は「つみたて投資枠」ですが、対象は金融庁の基準を満たした投資信託が中心で、高配当型の商品はまず入っていません。
つまり1,500万円分の高配当株は、そもそもNISAに収まらないのです。
はみ出た分は特定口座になり、配当のたびに課税されます。
ふたつ目は、VYMやSCHD、SPYDのような米国ETFの配当です。
NISAで日本の課税はゼロになりますが、米国での源泉徴収10%は引かれます。
しかも、日本で課税されていない=二重課税が起きていないため、外国税額控除も使えず、この10%は取り戻せません。
非課税のNISAでも、配当をもらうたびに1割は引かれ、戻ってきません。
「NISAだから高配当でも効率は落ちない」とは一律に言えません。
配当の強制払い出しに約20%を払う価値はあるか
「配当は強制的に払い出されるから良い」という声があります。
入金の喜びがある、入金された分だけ使えば使い過ぎを防げる、という理由です。
その安心感は分かります。
ただ、特定口座では配当のたびに20.315%(所得税15.315%+住民税5%)が源泉徴収されます。
私にはこのコストが、どうしても割に合わないと感じられました。
インデックスの取り崩しなら、必要な時に必要な金額だけ現金化できます。
時期も金額も企業次第の配当と違い、自分でコントロールできる。
疑似配当ではありますが、同じことを効率良くできるのがインデックスの取り崩しです。
配当と取り崩しの手残りの差は、別の記事で数字を使って比べています。
▶︎ 関連記事:配当金より取り崩しの方が手残りが多い理由。数字で比べてみた
NISAを超える入金力があるほど差は広がる
NISA枠内なら、国内株の配当は非課税です。
しかし年間投資枠を超えて高配当株投資をする場合、特定口座での配当課税は配当のたびに確実に発生します。
高配当株は、強制的に払い出され、そのたびに課税されます。
インデックスなら、使う分だけ取り崩せばよく、課税されるのは取り崩し額のうち利益の部分だけです。
使わない分は課税されないまま市場に残り、育ち続けます。
私も含めて庶民ほど、この確実なコストを削る価値は大きいと感じます。
インデックス一本で資産形成から取り崩しまで完結する
余力の分だけ積み立て、現金が必要になったら必要な分だけ取り崩す。
資産形成から出口まで、インデックス一本で完結します。
途中で高配当株を混ぜる必要はありません。
シンプルに保つことが、結局いちばん効率的で、いちばん自由な投資法です。
※税率・NISA制度は2026年7月4日時点で国税庁・金融庁の公式情報を確認しています。
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