「行動経済学が最強の学問である」を読んで 下落で売りたくなる理由

木のテーブルに置いた付箋付きの本と、右肩下がりのグラフを表示したスマートフォン、湯気の立つマグカップ
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私は理屈を理解して選びたいタイプです。
お金を増やしたくて投資をするのだから、合理的にやるのが普通だと考えてきました。

だから「NISAで損切りした」「毎日の値動きに一喜一憂してしまう」という話が不可解でした。
なぜ一時の感情でお金を扱うのだろうと。

「行動経済学が最強の学問である」(相良奈美香・SBクリエイティブ)は、この疑問に答えをくれた本です。
その答えは、人間はそもそも非合理に選ぶようにできている、というものです。

目次

人間は非合理に選ぶようにできている

行動経済学が扱うのは実際の人間です。
代表的なのが「損失回避」です。
人は同じ金額でも、得の嬉しさより損の痛みを重く感じます。

私は「なぜあえて非合理を選ぶのか」と考えていました。
実際は、あえてではありません。
人間は非合理に選ぶもの。
本書で知ったこの一点が、一番の衝撃でした。

「下落で売りたくなる」には説明がつく

インデックス投資は持ち続ければいいと頭では分かっている。
それでも下落が続けば、売りたくなる感情は湧きます。
損失回避を知れば、これは人間の標準の反応だと分かります。

感情が湧くのは止められません。
ですが理解していれば、行動は理性で選べます。
売れば損失の確定、売らなければ何も起きません。

合理的なつもりでも世間の声で高配当株を持っていた

非合理を知っていても、感情は消えません。
私は割と合理的にやってこられたと思っています。
それでも高配当株を持っていた時期があります。

実際に配当を受け取っても、嬉しいとは思いませんでした。
世間の高配当人気の声の大きさに、判断が引っ張られていたのだと思います。

経験で「嬉しくない」と分かった今でも、高配当に魅力を感じる瞬間はあります。
周りの声に引かれる感情は、経験の後でも消えませんでした。

非合理は仕組みで制御する

本を読んで固まった方針は「非合理は知ったうえで、理性で制御する」です。
感情は湧くものとして認め、お金の判断には使いません。

その実行手段が仕組みです。
自動積立を設定して、あとは値動きを見ない。
判断の回数を減らせば、感情が入り込む場面ごと減らせます。

方針は最後まで合理で通します。
特に始めの時期は合理に徹して、資産形成を軌道に乗せることが重要です。
市場の成長に任せる金額が早く大きくなるほど、長期の伸びに効くからです。

仕事でも「正解を言うだけ」では人は動かない

この本は投資の外でも使えます。
人に仕事を教えるとき、正しいやり方を伝えるだけでは動いてもらえないことがあります。

損失回避が強い人もいれば、挑戦を好む人もいます。
相手がどこで判断しているかを読んで、言葉を選ぶ。
正解の中身と同じくらい、伝え方が結果を左右すると感じています。

非合理を知って合理を選ぶ

人間は非合理に選ぶようにできている。
それを知ってから、合理的な仕組みの価値がむしろ上がりました。

感情は湧くままでかまいません。
お金の判断は仕組みに預けたまま動かさない。
浮いた時間と意志力は、好きなことに使えます。
お金も投資も、そのためにあります。

【免責事項】本記事は筆者の体験に基づく情報提供であり、特定の投資商品の購入を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。
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