一括投資と積立投資、どちらのリターンが大きいかという議論があります。
定期収入のある人にとって、この議論はほぼ意味がありません。
理論上の正解は一括投資
理論上の正解は一括投資です。
バンガードの2023年の調査※では、世界株指数の1976〜2022年のデータで、一括投資が積立投資を上回った確率は68%。
およそ3回に2回です(1年後の資産額での比較)。
※リンク先は英語の原文資料です。実際の文章まで読みたい方はどうぞ。
インデックス投資で重要なのは、複利の力を最大限に使うことです。
市場に晒す時間が長くなる一括投資が有利になるのは、この理屈のとおりです。
ただし、一括の方が勝率が高いというだけで、積立が必ず劣後するわけではありません。
同じ調査で、およそ3回に1回は積立が一括を上回っています。
そして10年、20年、30年と続けた場合、リターンを左右するのは「一括か積立か」より運用期間の長さです。
少しの下落や暴落で退場しない、続けられる方法で投資を行う。
これは金額にかかわらず、すべての投資に共通する前提です。
そのうえで「一括か積立か」で悩むのは、手元にまとまった資金がある人だけです。
定期収入があれば自動的に積立投資になっている
会社員のように毎月給料が入る人は、生活費を差し引いた余剰分を投資に回します。
これを繰り返すと、結果的に毎月一定額を投資し続ける積立投資と同じ状態になります。
つまり、定期収入があれば、意識していなくても自動的に積立投資になっているのです。
「一括か積立か」と悩む必要が、そもそもありません。
その月の余剰資金が出たら、リスク許容度の範囲内で、できるだけ早く投資に回す。
枕を高くして眠れる範囲なら、余剰資金は即座に投じてしまう。
市場に晒す時間を最大にすることが、複利の力を最大限活かす方法です。
私の場合は現金を100万円と決めて、給料日にそれを超えた分だけ買付に充てています。
「いくら投資するか」を毎月考える必要がなく、気づけば積立と同じリズムになっています。
▶︎ 関連記事:暴落で後悔しないための「鉄壁の現金戦略」
扱ったことのない大きなお金は、まず現金のまま
退職金や相続などで、これまで扱ったことのない大きなお金が入ったらどうするか。
まずは投資に回すべきなのかを考えましょう。
使う予定が少しでもあるお金なら、投資に回すお金ではありません。
考えた結果投資に回すとなった場合、理屈のうえでは一括投資が有利でも、すぐに全額投資しないことを推奨します。
当分は現金のまま置いておく。
理由は、扱ったことのないお金を持つと、人はおかしな行動をするからです。
金額に心が慣れていないうちは、余剰資金なのに耐えられずに売却してしまいかねません。
月数万円の積立なら気にならない1%の下落も、2,000万円なら1日で20万円。
その下落が数日続けば平静ではいられなくなるでしょう。
これまでどおりの積立を続けながら、そのお金があることに慣れる。
投資に回すのは、その金額を持つことに慣れてからがちょうどいいタイミングです。
「いつ買うか」より「買い続けること」
相場が高いと感じても、安いと感じても、やることは変わりません。
余剰資金が出たら、タイミングを見ずに投資に回す。
株価は誰にも読めないからです。
「もう少し下がったら買おう」と待っている間にも、市場は動いています。
過去のデータでは市場は基本的に右肩上がりで、「もう少し下がったら」が来ないことも多い。
待つことのコストは目に見えませんが、確実に存在します。
悩む時間は運用期間を短くするだけで、期待値を高めることはありません。
迷いを仕組みで消すと、投資は続く
「一括か積立か」は、定期収入がある人にとっては答えの出ている問いです。
投資用の余剰資金が出たら、即座に買付する。
この仕組みにしてしまえば、理論上の最適解に自然と近づいていきます。
迷いは時間を奪います。
その時間こそ、リターンの源泉です。
考えることを減らして、続けられる仕組みをつくる。
それが複利を味方につける、いちばん確実な方法です。
※一括投資と積立投資の比較データは、2026年7月4日時点でバンガード社の公開資料(2023年)を確認しています。
▶︎ 関連記事:投資の始めどきはいつか。答えはシンプル
▶︎ 関連記事:買う銘柄は「オルカン」でいい

コメント